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内装鉄直伝!内装の用語アレコレ【後編】

はじめまして。17901と申します。前編に引き続き、鉄道車両の内装の用語を100点中30点くらいのクオリティで解説いたします。前編をまだお読みになっていない方は、そちらもあわせてお読みいただければ幸いです。

さて、例の画像を再掲載して、仕切り直します。
読者のみなさまはあともう少しの辛抱です。頑張りましょう。

#11 手掛け

古くは文字通り「革」でできていたのが、時代が下るにつれて合成樹脂を用いるようになりました。現在は、加工のしやすさや耐衝撃性に優れたポリカーボネート製のものが主流です。また従来の丸型や五角形・おにぎり型のものから派生し、より直径が太くなったものや、デザイン性に配慮して楕円形のものも現れています。

#12 車内案内表示器

最近製造された車両でまず見ないことはないでしょう。旅客案内装置からの情報をこちらで出力しますが、LEDドットマトリクス式とLCDディスプレイ式が主です。筐体の形状を工夫することで美観に配慮した例(京急の各LED表示器車,阪急9000系電車,JR東日本E235系電車など)もみられるため、やはり侮れません。

#13 スタンションポール

旧型国電201系試作車JR東日本の6ドア車などで見られた床から直接生えて天井に接続するもの(本来はこちらを指すのがより正確だそう)のほか、画像の東京メトロ17000系電車のように、座席のフレームから生えて荷棚ブラケットないし荷棚先端のつかみ棒に接続するものもあり、こちらが多数派を占めます。つり革を掴むことができなかったり、座席から立ち上がるのに難儀する利用者からは好評をもって受け入れられている一方、スタンションポールがあることで車内が狭く感じるという意見や、座って窮屈に感じる(バケットシートともあわせて、定員着席を促すという側面もあると言われている)という意見もあり、双方の摺り寄せには多くの時間が必要かと思われます。

#14 優先席/優先座席のスタンションポール

E233系が初出でしょうか、一般座席との差別化を目的に、ディンプル加工を施したうえ黄色に塗装したスタンションポールが現れました。これを契機として、つやつやした見た目でないスタンションポールが多く現れることとなります。例えば東武70000系のように、ディンプル加工を施したスタンションポールを一般席にも拡大したもの、名鉄3300/3150系の後期車9500/9100系JR東日本E235系に見られる、電解研磨を施して指紋が目立たないようにした、マット調な見た目のものも現れています。

#15 床

一般的な建造物の床とは違い、台車や床下機器といった下部からの騒音をシャットアウトしなければなりません。台枠の上にキーストーンと呼ばれる鋼板を載せ、吸音材としても機能するモルタルを充填したのちに表面をシートで覆った、かなり手の込んだ構造をしています。鉄道車両の内装を論じる文脈での「床材」とは、主に最表面のシートのことを指します。最近製造された車両やアコモデーションの更新がなされた車両では、扉前を黄色の点字ブロック調の床材とし、乗客へ注意を喚起している例が多いです。画像の東京メトロ17000系電車はデザイン性との両立を図ってか、黄色の範囲が狭いです。個人的には、一時期の営団車に見られる床材の模様がオシャレで好きでした。どうしてB修繕で真っ黒だったり真緑でぬりつぶしちゃったんですか

#16 防犯カメラ

本邦の通勤電車においては、2009年12月28日にJR東日本・埼京線205系に設置された防犯カメラが試験運用を開始したのが嚆矢です。なおもう一編成でも試験を行い、結果が良好であったことから、翌年6月以降に埼京線205系の全編成を防犯カメラ設置対象とした上で、本格的に運用が開始されました。また2021年10月31日に発生した京王線刺傷事件を契機として、国土交通省が一定基準を満たす在来線車両の全車に防犯カメラの設置を義務付ける鉄道運輸規程などの改正省令が、事件から約二年が経過した2023年10月15日に施行されました。したがってその後に産声を上げた鉄道車両の大半には、防犯カメラがついていることになります。なんだか悲しい時代になってしまいましたが、これからの鉄道車両を語るうえで防犯カメラは外せない要素となったと申し上げても過言ではない以上、ここで紹介いたしました。

あとがき

 いかがだったでしょうか。お読みになってさぞかしお疲れになったことでしょう。
 これで用語解説を終了いたしますが、「化粧板」「扉」「冷房吹き出し口」などなど、多数紹介し忘れたものが出てきたことに関しては、本当に申し訳なく存じます。また後日補足記事を公開する予定ですから、気長にお待ちくださいませ。初めての記事作成のためノウハウがなく、特にスマートフォンでご覧の方は特に見づらいものになってしまったことについても申し訳ありません。後述の通り、次回以降は画像を増やす予定ですので、より親しみやすいものになるかと思います。
 次回以降の記事ですが、画像多め、文章は少なめという方針を取る(そちらのほうが作成コストが安上がりなのです)ほか、不定期での記事公開となります。どうぞよろしくお願いいたします。
 記事に関するご質問や訂正のご依頼、苦情は、お手数ですが筆者のTwitter(X)のアカウントをメンションしたうえでお伝えくださいますようお願いいたします。 

メタいお話

本来は前後編と分けるつもりはなく、一体の記事としてみなさんのお目にかかる予定でした。しかしいざ投稿の予約をしてみると、2ページ目にジャンプする動作がうまくいきません。沿線ちゃっと関係者様方に報告しても、どうやら私の環境と同じ挙動を示すようでした。いわゆる「おま環」とは言われずに済んだものの、この不具合が発覚したときは実に心が折れました。なんせ三か月前後も温めておいた記事なのですから。苦肉の策として、このように記事ごと二つに分割することになりました。かつて存在した、通勤快速高麗川・武蔵五日市行みたいですね。
 前回の記事(前編)は元の記事の1ページ目、当記事は元の記事の2ページ目を再編集したものになります。どうかご了承くださいませ。前編はこちらをクリックしてくださればご覧いただけます。

以上
 

お世話になった文献一覧(前後編共通)

(リンク切れ等ありましたら、こちらもお手数ですがご連絡くださいませ。)

https://trafficnews.jp/post/86418/2
https://ejje.weblio.jp/content/Bracket
https://bunken.rtri.or.jp/doc/fileDown.jsp?RairacID=0004005743
https://mikami-kakouzai.co.jp/products/product_tsurite.php
https://www.sotetsu.co.jp/design-pj/9000/
http://www.kk-asayama.jp/parts.html
https://www.j-trec.co.jp/company/070/01/jtr01_58-63.pdf
https://www.jreast.co.jp/press/2009/20091217.pdf
https://www.jreast.co.jp/press/2010/20100403.pdf
https://www.mlit.go.jp/tetudo/content/001487969.pdf
https://www.jiji.com/jc/article?k=2023101400357&g=soc#
鉄道ピクトリアルNo.889 【特集】車両の客室 P64

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