西武新宿線を救った2本の2031とは【迷2000系第1回】

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 久しぶりのholdingだよ。

 今回から西武鉄道の旧2000系について記事を書いていきたいと思います。その第1回は2031Fについて書いていきます。

 なぜ今回2031Fについて書くのかと言うと、先日、2409Fが横瀬に旅立ったからです1。これで関東大手私鉄からグロベンが消えたで話題になったりしましたよね。また、純正旧2000系が消えたとかとも言われたりしました。そんな2409Fと2031Fは関わりが深いのです。なぜ関わりが深いのか、また純正旧2000系とは何なのかについて詳しく解説していきます。

今回の記事で書くことの大半は2031Fだけでなく2033Fにも同じことが言えますが、今回は2409Fの廃車で書いたものなのと、2033Fは他のことで書きたい記事がなんで、許してください。

目次

初代2031F

 1979年、駅間が短い新宿線のために停車時間を減らすことを目的に作られた西武鉄道として初代401系以来の4ドア車である2000系。そして、その16本目の6両編成として作られた2031F。何の変哲もない旧2000系の車両としてデビューした2031F。沼要素を入れるならば扉の窓ガラスがHゴム支持から金属抑えになった。また、当時の新宿線は各停のみの停車駅で6両までしか対応しない駅がまだあり、当初も2000系は6両編成としてのデビューだった。しかし、1983年以降は新宿線のホーム延伸工事により各停のみの停車駅でも8両にも対応できるようになった。

6両時代の名残(使ってないわけではない)や、8両延伸を無理やりしたため電車が踏切にはみでるようになった上井草駅

 すると、2000系も8両編成を作ることになった。新造ではなく車両組み換えで。そう、車両組み換えで。その内容が、2031Fと2033Fの組成を解除し中間車を、2001F~2007Fの6両4本に組み入れるというものだった。また、先頭車はクハ2401形に改造し、全て本川越向きに揃えた上で新製のクモハ4両と組み合わせて2両編成を組成した。

2031Fを例にした編成組み替え図

 また、図を見てもらえると分かるが、8両化した編成は4、5号車に2031Fや2033Fの中間車挟み込んだので百の位が1-3-2の順になるため車番の付け方が新2000の8両とは違う。もうすでに旧2000系8両車は全編成、廃車になったが、車番では西武の沼要素でもあった。

 何はともあれ、このような形で2031Fの生涯は終わるはずであった。

田無事故

 1986年3月23日の田無駅は季節外れの大雪に見舞われていた。時刻が正午を過ぎたころ、田無駅に接近した西武新宿行き列車のブレーキが効かなくなり、ホームに停車中だった先行の列車に追突、乗員と乗客の204名が負傷する田無事故が起きた。 原因は、当日の大雪で摩擦制動力が低下したことだとされた。当時の西武鉄道は秩父線に入る電車などには耐雪ブレーキがつけられていたが、新宿線の車両のほとんどは付けられていなかった。

 この事故のため、2017Fの前4両、2023Fの後ろ2両と2415Fが事故廃車となった。また、2417Fの後ろ2両の車番改変をして、2023Fの前4両と組成し1989年以降に運用復帰した。しかし、そんな2023Fは2000系初の老朽廃車になるなど田無事故に振り回された車両だった。

田無事故で起きた車両の組み換えや廃車

2代目2031F

なぜ製造?

 田無事故の後、計8両の廃車が出て、2023Fも1989年までの事故から3年間もの間、休車になっていたので事故前に比べて14両も離脱してしまいました。そのため、西武鉄道は新宿線向けに代替者の新造を行うことになりました。田無事故の頃、西武鉄道が製造していた最新式の車両は3000系などの3ドア車でした。しかし、新宿線は4ドア車で池袋線は3ドア車で統一したいという思惑があった西武鉄道2は最初の製造から10年近く経っていた旧2000系を再び増備することにしました。しかし、1988年(事故から2年後)には新2000系が出る予定だったのでそれまで待てば新車が入るわけですし廃車は8両だけなので待てないことはない状況でした。それでも、無理やり旧2000系を増備したのは新宿線の利用客数の増加という背景がありました。

 グラフのように田無事故発生後も利用者数は増加していき、1991年には過去最高の利用客数になりました。もちろん、新宿線では朝ラッシュなどの混雑時間帯の対策に追われていました。そんな中での田無事故。もちろん、予備車が足りなくなっても減便などは出来ないどころか増便が必要な状況だったのです。なので、新2000系の製造を待つのではなく旧2000系の増備となったのです。しかし、2年後に新2000系が出るということもあり、製造された旧2000系は旧2000系の車体をベースにしつつ、当時製造していた3000系や2年後に出る新2000系の要素が含まれたものになりました。ちなみに、前述で純正旧2000系と言われてたのはこれが原因でした。(前置き終わり。長くてごめんよ。)

従来車からの変化

 そうして製造されたのが2017F、2019F、2031F、2033Fの旧2000系5次車です。そうです、これが2代目の2031Fです。そして、この4編成には他の旧2000とは違い、新2000と同じ設備のものが多々あります。

 特に大きく見える変化としては、図にあるようなワイパーの追加設置です。それまでの旧2000系1~4次車は、写真から見て右側の運転台側にしかついていなかったワイパーを、旧2000系5次車とのちに製造される新2000系は左側の車掌台側にもワイパーが付いたのだ。

 ほかにも変化があります。例えば、1~4次車で使われていた換気を促す装置のベンチレーターが丸いタイプのグロベンから5次車では四角いタイプの角形ベンチレーターに変わったり、3主制御器、抵抗器、補助電源装置、ブレーキ制御装置が新2000系と同じものに変わっている。車内にも変化がある。Hゴムが黒色になっていたり、空調の吹き出し口が1~4次車で使われていたスポット式から新2000系でも使われるラインフロー式に変更されたりした。このように、旧2000系5次車は旧2000系の中でも異様な存在だったことが分かります。

現役、そして更新

 その後、2005年に大規模更新されることになった。内容としては、新2000系の更新工事(リニューアル車と言われる)や新101系の更新工事と同等に近いものが行われた。まず、外見の変化として以下のものが行われた。

  • ワイパーが新2000系と同様のものに交換
  • 側面の車番表記がプレート式に変更
  • 側面行先表示器の走行中の消灯機能を追加

 また、内見では外見より多くの変化がありました。

  • つり革をドア付近線に増設
  • 優先席近くのつり革の低位置へ
  • 座席モケットの変更
  • 床面デザインの変更
  • 消化器の位置の変更
  • 非常通報装置を通話可能なものへ変更し、非常通報器を1両につき2か所に統一化
  • LED式車内案内表示器の設置

 これらの変化で、2031F(もちろん他の旧2000系5次車も2031Fとほぼ同じ更新をしてるよ。)は新2000系のリニューアル車に近い状態になりました。

のんびりと過ぎる日々

 更新を受けてからも、変わらず新宿線や拝島線、更には国分寺線を走り続けた。4両と組んで10両になり急行で爆走する日々も多くあった。しかし、新宿線に20000系や30000系の10両固定編成が導入されてからは多くはなくなっていき、晩年は2両と組んで8両になったり、国分寺線や拝島線内の各停運用にもつくようになった。しかし、他の旧2000系は2015年から廃車になっていき、一時は9000系や10000系の廃車で止まったが2021年以降は再び廃車が再開。ついには、5次車で更新車の2033Fが2022年の8月に廃車。そして、それから1年が過ぎた頃、西武鉄道が2031Fの廃車を発表したのだ。

西武鉄道Webサイト
旧2000系最後の6両編成 2031編成引退にあわせ3種類のイベント開催! 西武鉄道の旧2000系最後の6両編成 2031編成引退にあわせ3種類のイベント開催!について。時刻表、路線図、運行情報、乗換案内、運賃表など西武沿線のご利用案内から、特急...

そして横瀬へ

 通常の廃車はひっそりと行われ、高麗あたりで撮られた廃車回送の写真がTwitterなどに投稿され気づかれるものが多い。しかし、西武鉄道は廃車前に撮影会イベントを開催したり、廃車回送に客を乗せるイベント列車にするなどした。2031Fとしては最高の花道だったのかもしれない。そして、2023年10月5日に横瀬で多くの鉄オタに見守られながらパン下げをした。また、その様子は西武鉄道のYouTubeチャンネルから見れるのでどうぞ、そちらもご覧下さい。

【補足】西武鉄道さん、最近YouTubeにめっちゃ力入れてるんすよね。とても面白いし、レアなものも投稿してるけど再生回数がその割に少ないので見てあげてください!

最後に

2031Fの生涯

 西武新宿線の輸送力増強のために車両組み換えで一度は消え、田無事故という痛ましい事故でピンチになった新宿線を救うために再び復活して新宿線を乗客輸送を支えた2031F。2代目2031Fは先述の通りに廃車になってしまったが、初代2031Fはどうなってるのかと言うと、2001F、2003F、2411Fは2021年に廃車された。そして最後まで残った2409Fのクハ2410、元2031も最初で述べたように今年の1月に廃車になった。これで2031Fは本当に生涯を終えたのだ。本当にお疲れ様と言いたい。

追記

 旧2000系も残り2両編成2本の4両。是非とも、旧2000系が生きてるうちに新宿線に遊びに来て欲しい。また、横瀬では2001Fのクハ2001が静態保存されているのでこちらも公開イベントがあったら見に来て欲しい。と、思ったが毎年行われてた公開イベントが昨年は行われなかった。本当に旧2000系が見れるのは残りの4両だけかもしれないので、撮り納めにでも来て欲しい。

参考サイト

あわせて読みたい
  1. 西武鉄道で横瀬は横瀬車両基地ということで、横瀬へ行くは廃車をあらわす。 ↩︎
  2. なお、その後の池袋線では有楽町線直通のため、3ドアに統一する思惑が打ち壊され、4ドアの6000系の増備とともに4ドアの新2000系や9000系の増備が進んだ。 ↩︎
  3. 廃車になる前に撤去されたが、屋根裏には角形ベンチレーターの付いていた痕が残った。 ↩︎
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