西武のサステナ車導入について徹底考察【前編】

  • URLをコピーしました!

 こんちゃ、holdingだよ。

 今回から、西武鉄道が今年より導入するサステナ車について二本の記事で詳しく考察していきます。今回はその前編です。結構時間をかけて作った記事だから、長いけど最後まで読んでください!

目次

導入する背景

VVVF率を上げたい西武

 西武鉄道は以前(10年ぐらい前)まで、3ドア車を優先して廃車をしてきました。そのため、旧2000系よりも新しい3000系や新101系は3ドアというのを理由に旧2000系よりも早く廃車にされました。そのようなことをしていた背景には、ホームドア設置するうえで3ドアと4ドアがあるとめんどくさいという事情がありました。    

 その後、3ドアを排除した後は、001系(ラビュー)や40050系の増備による置き換えを理由としての廃車を進めました。しかし、2010年代後半になると「あれ、西武ってVVVF率低くね」と感じるほどには西武はVVVF率というもので他社に遅れを取るようになりました。すると西武も重い腰を上げて「2030年までにVVVF100%するで」という目標をあげました。実際のところ、西武鉄道も1992年から製造の始まった6000系1から、制御方式にVVVFインバータ制御を導入していました。しかし、6000系の前に製造された2000系を作った当時、西武鉄道ではVVVFインバータ制御の試験をしているタイミングであったため、444両の大所帯になるまで作った2000系の制御方式は界磁チョッパ制御となり、それが後々西武鉄道にとってVVVF率を上げるうえで重荷になりました。

増える課題と見つからない解決策

 西武鉄道としては前述のとおりに非VVVF車の廃車をしたかったのですが、それには多くの課題がありました。まず、西武鉄道では基幹路線(池袋線、新宿・拝島線)ではなく支線に多くの非VVVF車両が存在しており、なおかつ支線ごとに様々な特徴や専用の車両を持つため、置き換えが進みにくい現状がありました。また、本線から支線へと西武線内に転属で置き換えできそうな車両がいるのかと言われると「いない」と答えるしかないのが今の西武鉄道です。なお、本線から転属出来そうな車両として唯一2000系がいますが、2000系は前述のとおり非VVVFの界磁チョッパ制御です。どこかから「新造車両作れよ」と聞こえてきそうですが、西武鉄道さんコロナで私鉄最大の赤字があってお金がカツカツです。本線で精一杯なのに支線に新造とかふざけてますよ。そしたら、「2000系をVVVF改造すればええやん」とか聞こえてきそうですが、普通に時間かかりすぎです。VVVF化改造して2年で廃車とかになる可能性まであります。そしたら、「6000系を4両とかに減車して支線に導入すればええやん」と聞こえてきそうですが、西武の支線の多くは4両編成なので6両分の廃車が必要ですが、2000系と同時並行したらきついし、何より6000系の多くはまだ車齢30年迎えてません。というか、本線の車両足りてません。車両故障とかが相次いで10両固定編成なさすぎて新2000系で2+2+2+4作るとかいう意味不明なことしてたんで。なぜなら、2022年に70両廃車しちゃったんで。ようするに、西武さん詰んでます

サステナ車導入へ

 つまりは、西武として「安い、早い」でVVVF率を上げること求めたいが、そんな手段があるのかという話になります。しかし、あったんですね。それがサステナ車導入です。西武としては、これで支線系統は置き換えが見つかるし、わざわざVVVF化改造もいらない。まぁ、対応工事が必要だけどね。つまりこれが、サステナ車導入の背景なのです。

 んで、そんなこと言ったらかっこ悪いんで「環境に良い!、サステナブルだ!、つまりサステナ車だ」となったんだろう。(ここは私の想像です、本当に西武さんが環境に気を使ってる可能性もあるかもよ)

なんでこいつらなん

鉄オタの予想(前置き)

 サステナ車が発表されるやいなや鉄オタ界隈では譲渡車両について予想が始まりました。ちなみに、この記事を書いた主は、森林公園のアイドルの9101F導入を熱く熱く予想していましたが、北舘林へ行ったようで極めて残念です。

 西武として出した条件は、VVVFインバータ制御の無塗装車体です。そう、無塗装車体です(伏線)。その条件を当てはまり、譲渡の有力候補は上の図の4種です。しかし、こいつらにもそれぞれ以下の表のように、譲渡する際にデメリットがあったのです。

70-0000形・本数が少ない
・扉間隔が異なり、既にホームドア設置している国分寺線や多摩湖線には導入が出来ない。
6300形・置き換え車両(ミタレンジ)の発注がまだ。
8000系・車齢が40越えてる。
・車幅が短い。
9000系・機器更新をしていない。
デメリット一覧

 こんな感じに、丁度の良い譲渡車両がなかったのです。しかし、サステナ車の導入発表から数ヵ月経ったころ、西武鉄道は「2023年度 鉄道事業設備投資計画」を発表しましたが、そこでは、、、

VVVF インバータ制御車両等の環境負荷の少ない他社からの譲受車両を指す(当社独自呼称)

2023年度 鉄道事業設備投資計画

 と表記されました。無塗装車体という条件がなくなったのです。やってんな、と今思えば思いますが当時は何も思いませんでした。

なぜこいつら(本題)

 そして9月某日、西武鉄道はサステナ車で譲渡される車両を決定しました。

 なんとびっくり、8000形。これには多くの鉄オタがびっくりしました。さて、ここからはちゃんと考察をしていきます。

 まず、小田急8000形。こいつは、この記事を書いてる主もびっくり。でも割かし良い判断だと思います(何様だよ)。それに関わってくるのが、西武国分寺線。西武鉄道の中でも歴史のある路線です。東村山と国分寺を結ぶ5駅の7.8kmの路線ですが、路線の規模の割に利用客数は多いです。まず、沿線が住宅街で小川駅以南は競合路線も少ないので通勤客に多く利用されます。また、沿線には高校なども路線の割には多くあるので通学客にも多く利用されます。そして、恋ヶ窪駅にはすぐ近くに国分寺市役所があるため昼時でもそこそこ利用されるのです。そんな感じに朝は通勤通学需要、昼は沿線施設需要、夕方は通学需要、夜は通勤需要と、一日を通して利用客数の多い路線なのです。そんな国分寺線は、現在は新2000系の6両編成が運用についています。特にラッシュ時間帯には、5駅しかないのに5編成が稼働しており、全時間帯を通して運転される電車はすべて6両編成となっているのです。そして今言った部分が小田急8000形導入に大きく関わります。つまり、最低でも6編成以上(運用5+予備1)の6両編成以上が必要なのです。ここから、東急9000系は5両なので導入は不可能、70-000形もそもそも論にはなりますが扉間隔の問題で不可能。9000系は置き換え終了の2030年近くには車齢が50年近くなるため現実的でなく、6300形も前述のとおり無理。だからと言って、2000系に変わる置き換え車は必要です。一応言っておきますと、国分寺線も不採算路線なので新造とかは無理です。すると、関東近辺で当てはまる車両がなくなるのです。そこに白羽の矢がたったのが小田急8000形なのです。国分寺線導入の条件の多くに当てはまり、6両編成があるからわざわざ減車をする必要もないのです。

 しかし、そんな8000形にも懸念点があります。それは、鋼鉄製ということと車齢です。車齢に関しては置き換える8000形の方が2000系に比べて古いという逆転現象が起きてます。しかしながら、小田急8000形は2002年から2013年にかけて大規模に改造工事を行っています。西武2000系もリニューアル工事を行っている編成が一部ありますが、改造の規模が全くもって異なります。西武2000系のリニューアル工事の多くは内装であって機器更新などはあんまり行っていません。それに比べて、小田急8000形は、

  • 全面的な腐食対策
  • コンプレッサーは新品へ交換
  • 運転台の交換
  • ABS追加
  • ブレーキは空気指令から電気指令へ交換
  • 内装の更新
  • 行先表示機はLEDに交換
  • 機器更新

などいろいろなものを行っています。その点からみても小田急8000形が選ばれたのでしょう。

 次に東急9000系。理由は明確で、それなりに本数があって車齢が若いというとこでしょう。しかしながら、東急9000系は小田急8000形と違って登場から30年近く機器更新されていません。また、最近では故障もしばしばあります。その点については、西武の匠(武蔵丘)がどうにかしてくれるのでしょうか。しかし、西武に導入するうえでの懸念点はそれぐらいしかないのはいいですよね。まだまだ30歳ぐらいなんで、車齢が若いのも魅力的ですよね。

実際の運用形態

 次は、実際に導入されてからについて考察していきます。

 まず、小田急8000形から。前述からあるように小田急8000形は国分寺線に導入されます。NHKニュースによりますと、国分寺線に40両ほどの導入が見込まれているそうです。恐らく6両編成が7本導入だと思います。現在は、朝ラッシュで5編成運用についておりますが、予備車を2本とって7本だと思います。予備車を2本取るのは、東村山駅の立体交差化工事に関係があります。現在、東村山駅は立体交差化の関係で高架化工事を行っています。そして完成後は、工事前の3面6線から2面4線になるとされています。しかし、東村山駅は西武新宿線、国分寺線と西武園線の3路線が通っており、4線で3路線を捌くのは厳しいと考えられます。また、東村山駅は西武新宿線の全種別の停車する駅です。なので、西武園線と西武国分寺線を直通させるのではと思います。実際、ナンバリングも国分寺線と西武園線で同じ「SK」なので。そうすれば、東村山駅でわざわざ折り返しの必要もありません。それを見据えて7編成の導入かなと思います。ほかにも、予備が1編成だった場合、故障した瞬間おしまいなのでね。現在は、そんなことがあっても本線で活躍している新2000系の6両編成を国分寺線に持ってくるだけなんですが、新2000系が廃車になればそんなことが出来ないので。

 次に、東急9000系。こちらは、多摩川線・多摩湖線・西武秩父線・狭山線に導入される予定です。また、4両編成を15編成分導入されるそうですが、少し疑問点が。それは、15編成で足りるのかということです。まず、ほかの西武線と接続していない西武多摩川線は101系4両編成が運用についていますがマストで4編成必要です。これは、多摩川線という特殊な事情から絶対です。狭山線は、牽引用の263Fも含め101系4両編成の3編成が多摩川線と半ば共通運用ですが、必要です。次に、多摩湖線。現在は予備車も含めて9000系の4両編成が5編成が在籍についています。次に、秩父線。現在は予備車も含めて、4000系4両編成が10編成が運用についています。しかし、10編成ある必要はほぼありません。これら4路線の合計は、4両編成22本です。7編成足らないのです。では、各路線の予備車0にして運用につく列車だけで考えると(多摩川線は運用は3編成だけど事情があり4編成必ず必要)、15編成です。ぴったり~、じゃねぇよ。予備車どうすんねんという話です。あくまで予想ですが、西武9000系は残すんじゃないかなと思います。何気なく言いましたが、西武9000系の台車は流用品なので台車だけでしたら車齢50年近く。うんやばい。しかし、中身はまだまだ30年いっていませんし機器更新工事をしているためVVVF車なのです。なので西武9000系はまだ残すと言おうとしましたが、西武9000系が今生きているのは西武鉄道の見透しのなさが原因です。つまりは、計画変更で生き残っているのです。

 それがどういうことなのか、について語りたかったのですが5000文字を超えてきたので、今日はここまで。ここからは、後編へ。明日公開予定なのでぜひそちらも一読お願いします。では、また明日。

  1. 西武鉄道初のVVVF車両は8500系である。なお、西武9000系は登場当時こそVVVF制御ではなかったが2003年以降の機器更新工事でVVVFインバータ制御に換装されていった。 ↩︎
この記事をシェアしよう!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

新着レス

 

イベント一覧

日付 イベント
4月14日(日)
4月15日(月)
4月16日(火)
4月17日(水)
4月18日(木)
4月19日(金)
4月20日(土)
4月21日(日)
4月22日(月)
4月23日(火)
4月24日(水)
目次